いきなり表紙絵とタイトルが合っていないように見えるこの作品、実は街の中にちゃんと
オークの集落があるのでゲームのワンシーンになっていたりする。人間の戦士がクイーン ズブレイドのキャラクター並に半裸だが、これはT&Tのイラストとしてはごく普通なので 問題ない。オークと露出狂の街なのか? と勘違いする人がいてはいけないので詳しく書け ば、オーガーの群れや改造人間や宇宙人なんかもちゃんといる。オークや半裸の 男もいる街、という事に過ぎないのだ。
T&Tのソロアドベンチャーはあまりクソ真面目にプレイすべきではない作品が多いが、この
本の表題作はその中でも1,2を争っている。だいたい街だというのに店屋の類がほと んど無い。そもそも主人公に目的(ダンジョンを突破しろとか誰それを倒せとか)が無いので飽 きるまでうろつくしかないのだが、大概はどこかで強制デッドエンドに引っかかって死 ぬ。
一方、もう一つの収録作「サルクティの魔除け」は「恐怖の街」のほぼ真逆を走っている
作品である。舞台は沿岸の街フリーゴアとその近海にある島々。大悪魔の手から街を守るた め、封印するためのアイテムを探すと言う内容。ある程度の(決して実現不可能ではない)強さ を想定して作ってあり、その想定内の強さを持つキャラクターなら波乱に富んだ冒険を楽しむ 事が可能だ。こちらはソロアドベンチャーでも1,2を誇る完成度を持っている。
この二つはオープンフィールド物のソロアドベンチャーとして最古の作品と当時の最新作だっ
たらしいので、完成度の差はそこから来ているのだろう。
当然、面白いのは「サルクティの魔除け」である。が「恐怖の街」での奴隷商人に就職で
きるとかオークやオーガーの族長を目指せるとか改造手術を施して改造人間に してもらえる(ただし成功率は6分の1で失敗は即死)とかの乱暴極まりないイベント もなかなか魅力的ではある。その結果キャラクターに触手が生える事もあるが、まぁこ れはこれで便利そうなので喜ぶべき事なのだろう。
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