「サイレントナイト翔」とは!

 作品の正式名称は「SILENTKNIGHT翔」
 漫画家・車田正美氏の非代表作の一つ。週間少年ジャンプに平成4年の35号から48
号まで連載。……という事は全14話ありそうなものだが、単行本で確認する限り8話に
なっている。どうも単行本化にあたり再編集したらしい。まぁ気にしても仕方ない事だろう。
 
 作品の内容は、熱血少年主人公が鎧を纏い超人バトルを繰り返すというもの。聖闘士星
矢2と言っても別に違和感が無いストーリーである。
 同じ漫画家が書いているので、当然キャラクターの容姿は「聖闘士星矢」の人物に
そっくり。展開もそうだが、設定面でもほぼ全ての単語が聖闘士星矢に置き換える
事が可能。

 小宇宙(コスモ)→フィール
 聖闘士(セイント)→神人類
 聖衣(クロス)→シェルター
 ○○座の誰某→ルーツが○○の誰某
 聖域(サンクチュアリ)→NEOSOCIETY(ネオソサエティ)

 星矢の人気が失速し打ち切られた後でここまで似ている物をなんで描いた?……と思われ
がちだが、一話からの展開を考えていくと見えてくる物がある。
 一般人だった主人公が超人的な力を手に入れ、人間社会を敵視して刺客を送り込んでくる
組織と変身して戦う……ひょっとするとこのサイレントナイト翔は車田流変身ヒーローをや
ろうとしていたのかもしれない。星矢はすぐに格闘大会に突入したが、この作品は最後までバ
トルトーナメントはやらなかった。
 まぁ最後までが極端に短いのは確かだが。

 以下にサイレントナイト翔の用語について、簡単な説明を記しておく。

エボリューション
 いわゆる変身。シェルターを体内から発生させて装着し、別の生物(個人により決まってい
る)の能力特性を有する事ができる。
 以下、原作より抜粋。
「自己の体内に眠っている生命の根源に目覚めること……」
「弱肉強食の時代 自分は一体なんだったのか 本当の自分の姿を探し出し 過去と現在を 
戦闘力と知恵を 重ね合わせ さらに今以上の自分に 進化すること それがエボリューショ
ン!!」
 どうも前世が関係あるようだし、主人公は隼・敵は鷲や牛なのだが、作中には妖精やらグリ
フォンやらも普通に出てくる。この世界には幻獣だの魔獣だのが実在したらしい。

神人類(しんじんるい)
 己のルーツに目覚め、エボリューシュンを可能とした者。己のルーツである生物を模したシェ
ルターを纏い、超人的な戦闘能力を発揮する。その能力の高低により複数の階級に分けられ
るが、戦闘経験を積む事で(自己の潜在能力に応じて)能力を上げてゆけるので、階級はあく
まで初期能力の程度を表しているぐらいの意味しかない。

NEVER END
 短期打ち切りになった作品だが、わざわざ最後にこう書いてある。男坂で「未完」と書ききっ
た車田氏の新必殺技。心が折れない限りまだ負けてはいない、我々も氏を見習ってそういう強
靭な生神力を養いたいものだ。
 個人的にはこの作品で一番の見所。

チャージ
 新人類同士は互いに生命力のやりとりが可能で、ダメージを受けた者に生命力を分け与え
て回復させたりできる(当然、与えた側は生命力を失う)。これがチャージ。
 この作品において一番重要な要素。語られる時は大概これとセットになる。

フィール
 臭いや気配のようなものらしく、これを探って敵を追跡したりする。ただしこれが燃焼してどう
のこうのという場面が無いため、その重要性は小宇宙より低いと思われる。

 以上がわかり、そして「聖闘士星矢」を知っていれば、もう「サイレントナイト翔」を読んで迷う
事など何もない。おそれる事無く本屋へ出向き、どこにも置いていない事に意気消沈して
もらいたい。健闘を祈る。

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