ドラゴンクエストT

 このゲームをプレイする時、主人公の名前でいつも悩む。
 漫画のキャラクターにするか。しかしドラクエは4文字。「デスマスク」「マンモスマ
ン」が入らない。漢字も使えないので「東方不敗」も無理。難しい所だ。
 歴史上の人物にするか。カエサルとかヒトラーとかノブナガとかは既にやった事が
ある。
 いっそ実在の人物にするか。コイズミとかブッシュとかいうのもアリだろう。感情移
入は至難の業となるだろうが。

 ……よく考えたらここはゲームブックのサイトなんだからゲームブックの主人公から取ればい
いだけだわな。

 というわけで主人公の名前は「タイガー」に決定。言うまでもなく、これは「タイガー暗
殺拳」から頂いた(作品紹介はこちら)。
 今ここで、勇者ロト伝説にタイガー忍者の足跡が誰も望んでいないのに刻まれる……。

(自分の感情移入度を高めるため、実際の記録はキャラクターの一人称で行わせていただき
ます)
竜王の首は「復讐のタイガー」が貰ったでござる。

2006年 6月21日

 まずは懐かしのオープニングを鑑賞。ここから全てが始まるのでござる。しばし感慨に浸った
後、名前を入力し王様との謁見。以外にも王は拙者を待っていた模様。どうやら御先祖の
高名は、レベル1の拙者にさえ王の期待をかけさせる程らしく候。無論、その期待に背く気は
毛頭ござらぬ。
 鍵と松明と金貨120枚を貰いうけ、まずは城内にて情報収集。「仲間の商人たちが魔物にや
られた」「滅ぼされた町もあるらしい」「恋人と一緒にいても不安が拭えない」……なんとも暗い
話題ばかりでござるな。拙者、暗い所は好めど暗い話は好まぬ故、一路ラダトームの町
へ向かう。
 町で仕度を整える。竹竿、布の服、皮の盾……武器・盾・鎧と一通り揃えたら金が尽きた。と
はいえ忍者にして勇者の拙者が武具の選り好みなどせんでござるが。なお、ステータス画
面には「ゆうしゃのしそん」と書かれてはいる。されど「にんじゃであらぬ」とはどこ
にも明記されていない故、タイガー忍者の誇りと自覚を持ってスライム狩りへと赴き
もうした。全てにおいて完全なる合法でござる。
 北の山中にて修行に邁進していると、宿屋に一泊もする事無くレベルが3に到達。これにより
タイガー忍術「ホイミ」を習得。ラダトームの光あれ爺のMP回復能力に頼れば宿屋不要状態
でござる。これを利用しながらさらにスライムとスライムベスを狩り続け、ようやく「ギラ」の術を
習得と相成った。
 ここがドラクエ1最初の転換期でござる。何故ならSFC版のギラは16〜20のダメー
ジを与える術。西にある橋の対岸に生息する魔物は丁度この威力で一撃必殺。こ奴等はスラ
イムの十数倍の戦闘力を持つ強敵でござるが、ギラさえ使えれば最弱の武装でも確実
に勝て、しかも得られる経験値と資金もまた数倍〜十数倍というカモになるのでござる。
 城の光あれ爺と橋を往復し、魔術師とメイジドラキーと大蠍でバーベキューを繰り返して候。
 レベルが6になった辺りで懐も暖かくなり、初めて北へと向かう。行き着いたのはガライの
町。ローラ姫を攫った魔物が東へ向かうのを見たと聞くが、当面は東へ行くよりも先に武器屋
へ行かねば。
 ついに武器が鉄の斧に強化。攻撃力が一気に13点上昇。もはやギラを使う相手は大
蠍のみとなりレベルアップがさらに捗るでござる。レベル7にて鎖帷子を買える様になり、次の
エリアへと足を伸ばせるように成り申した。ひとまず今日はここまで。

2006年 6月22日

 今日はラダトーム南西にある洞窟へ潜るでござる。ダンジョンハックこそ古来よりのRPGの
基礎にして基本にして終着点也。そのために松明を三本買い溜め。洞窟には特に必須アイテ
ムがあるわけではないが、金や防具が落ちているので行って損はあらぬ。忍者たるもの、
使える物は親でも使うべし。
 洞窟までの敵は既に相手にならぬので一蹴しながら目的地へ。地下に降りて松明を灯すが
やはり視界が悪い事は否めぬ。タイガー忍者道具の一つ「攻略本」を頼りに奥へ進むでござ
る。
 地下一階は敵の種類が地上とさして変わらぬ故、宝箱から金品など漁りながら奥へと進み
続けるでござる。なぜ宝箱が脈絡無く落ちているのか疑問に思わなくも無いが、拙者が思うに
これはゲーム表現という奴ではござらぬか。
 本当は装飾の施された箱が設置されているわけではなく、中に金貨が348枚
入っているわけでもなし。何か金目の物が落ちている所を宝箱という絵の記号で現し、34
8ゴールドの価値がある物品――宝飾品や彫刻像や貴金属――を拾えているとは考えられぬ
か。
 答えの出ぬ問いを思索しながら歩いていると、一階最強の敵・メーダと遭遇。モデルはゴキ
ブリでは無いかと思えてならぬが、だからといって手を抜くわけにもいかず斧で叩き割るで
ござる。蠍より強いゴキブリがいても全くの合法にて無問題。
 ついに地下二階へ到達。この洞窟はここが最深部でござる。出てくる敵も2〜3発殴らないと
倒せない骸骨や呪文と打撃がほぼ同威力の魔道士など、明らかに一階より
も手強くなって候。
 だが手に入る物品も高価になり、途中で鉄の盾を入手。当然皮の盾よりも強く、武装の強化
が無料でできたのでお得極まりなし。
 ……などと調子づいていると持ち物がいっぱいになってしまってアイテムを拾いきれぬ羽目
に陥った。拙者が思っていたよりも松明の持続時間が長く、買い溜めが仇となってしまったの
でござる。仕方ないので、持ってきた松明を捨てて宝箱の中に落ちていた松明を拾
事にしたでござる。いや、この選択に意味は全くあらぬが。
 拾える物は全部拾ったので帰還するでござる。地上に出て気付いたが、結局松明は一本
で充分でござった。レベル9でレミーラの術を覚える事を考えれば、あと一本あればそれで事
足りる事も判明。後生大事に持っていた予備の松明を売り飛ばす事にするでござる。
無駄という他無し。
 拾った道具のうち、戦士の指輪と能力上昇の種類は預かり所に放り込んでおくでござる。次
は東のマイラへ向かうのでござるが、そちら方向にはセーブポイントがあらぬ故、今日はここま
でとしておくでござる。

2006年 6月23日

 ゲーム再開後、ガライの町で得た情報に従い東へ。特に苦もなくマイラの村に到着。ここで忘
れないうちに「妖精の笛」を拾っておくでござる。これを忘れると後々メルキドの直前から
延々と引き返す羽目になりもうす。この村では鋼鉄の鎧を売っているのでござるが、所持金を
確かめてみると僅かに足りない。
 仕方なく近くで山篭りをするでござる。しかし出てくる敵がこの間までギラで焼いてい
た敵と大差なく、なかなか貯蓄が捗らんでござるな。結局目標金額に到達する頃にはレベ
ルが上がり、照明の術・レミーラを覚えたでござる。これにより松明が不要となり、買い溜めし
ておいた最後の松明も売り飛ばす事に。三本買って使ったのが一本とは不覚で候。
 歯噛みしながらも鋼鉄の鎧を装備。これにてアレフガルドの北部で手に入る装備で最強の物
を揃えたでござる。
 鋼鉄の鎧を身に纏い全身鉄の凶器と化した拙者。これぞまさに忍者のあるべき姿。
なくともウィザードリィ・シナリオT・狂王の試練場ではそうでござった。
 毒の沼地を強行突破し沼地の洞窟に突入。レミーラで照らせば松明などより遥かに明るい。
我が術が文明の利器を凌駕した瞬間でござる。装甲が厚くなったおかげで敵からの
被害も激減し、難なく洞窟を抜ける事に成功。そこから南に向かい、湖の町・リムルダールに
到着できもうした。
 リムルダールには落ちているアイテムが多いのに預かり所がござらん。よって家捜しは後回
し、先ずはここを拠点に修行開始。しかし敵も急激にパワーアップ。ゴールドマン辺りには
適わずに逃亡する羽目に陥りもうした。歯を食いしばって戦ううち、やがて鋼鉄の剣を購入。
拙者、これが始めて入手した剣でござる。初めてといえば宿屋に泊まったのもここが初
めてでござるな。つまり今までの冒険は不眠不休で行っていた事になるでござる。
力こそが忍者と勇者の資本也。
 鋼鉄の剣を装備した辺りからゴールドマンに勝てるようになり、貯蓄速度が急上昇。レベル
が12に達した直後に魔法の鎧を購入できもうした。これで準備整ったと見て、町のあちこちで
落ちているアイテムを拾い、鍵屋で魔法の鍵を6個購入。これでストーリーを先へ進める事が
できるようになったので再び沼地の洞窟へ戻るでござる。
 こうして拙者、奥で番人をやっているドラゴンとの戦闘へと踏み切りもうした。
 ドラゴンとの戦いは熾烈を極めたでござる。ホイミと攻撃を交互に繰り返すようなギリギリの
戦闘の後、ついにデクトカゲめは地に伏した。竜虎対決は拙者の勝利でござる。
 奥へと進めばそこにはローラ姫が! 姫曰く、竜王の妻にされるために囚われていたとの
事。ふむ、つまり竜王はまだ独身でござるか? ではドラクエUの竜王の曾孫はいつ生
まれたのでござろうか。木の股からか、人間世界に何人もの王がいるように別の地に別の竜
王がいるのか、単に一夫多妻制なのか。
 悩む拙者は姫を宿屋に連れ込むような真似もせず、一目散に城へと戻ったでござる。
そもそも拙者の任務は竜王の首を落す事。女人相手に鼻息を荒くしているようでは真の忍者と
は言えぬ。男相手なら荒くして良いわけでは無いので念のため。
 一段落ついたので今日はここまで。御免。

2006年 6月24日

 先ずやる事は旅支度。今度の旅はドラクエTでも最大級の遠征になるでござるからな。リム
ルダールで購入した鍵を使いラダトーム城の宝物庫に侵入。
「真の勇者なら盗みなどせぬはずだ」
 知らんな。拙者、専業勇者ではござらぬ故。この後地下室へと向かい太陽の石も
拾っておいたでござる。ここの番人をしていたご老人、彼の言によれば勇者ロトと面識がある
模様。何百歳(何千歳?)かは知らぬがお役目ご苦労。ここらで増えた荷物はラダトームの町
で預かり所に放り込んでおくでござる。
 ガライの町へ。鍵を開けて北の建物に入れば、竜王の脅威にヤケクソになった商人が財産
を放棄しているのを発見。無論拙者が全部頂戴するでござる。相手の同意により全くの合
法。後で商人が泣きべそかくかもしれずとも、忍者とは非情な物故気にせぬ。
 ガライの墓に入る。墓というか古墳なのかと思うぐらい広い地下迷宮には魔法を使う敵が
多々出現。MPはマホトーンとレミーラに回し、回復は魔法の鎧の回復効果に頼って戦いもうし
た。
 順調に銀の竪琴を入手。リレミトの術一発で帰還はできるが、拙者はここでしばし修行に励
む事に。銀の竪琴を使えば歩かずとも敵が出るのでそれを利用してレミーラの照明時間を節
約し、HPが減っている時は左右に歩いて魔法の鎧の回復効果を使うでござる。レベル15に到
達してから地上へと帰還。
 一旦ルーラでラダトームへ戻り、銀の竪琴や宝箱から拾った種を預かり所へ。城の光あれ爺
で回復してから、いざメルキド目指して南へ南へ。
 ドムドーラ以南で敵が急激にパワーアップ。HPが一桁になる激戦を2,3度経験して
ようやくメルキドへ。入り口で番人のゴーレムに襲われるが、予定通り妖精の笛でデク
にして叩きのめして候。
 メルキド内では真っ先に武器屋へ。炎の剣を購入し、しばらく近くの森で修行に励む。地上に
出現する敵では最高峰の難敵が襲いかかってくるがそれ故にレベルアップも早い。水鏡の盾
を買えるようになった時には既にベホイミの術までマスターし終えたでござる。
 最強の盾と上位回復呪文を手に入れた今こそロトの鎧を手に入れる時。拙者はドムドーラへ
向かう。滅んだ町の東で悪魔の騎士と戦闘。強敵ではあっても今の拙者が負ける筈無し。見
事討ち取り、木の根元に埋まっていたロトの鎧を入手。御先祖よ、有り難く使わせて貰うで
ござる。
 一旦メルキドへ引き返し、南の神殿にいる老人からロトの印の在り処を聞く。ロトの鎧の力に
より毒の沼地やダメージバリアを物ともしないのは良い気分でござる。
 教えられた座標目指し、ローラの愛からのナビゲーションを頼りにロトの印を入手。これで
この地方で為すべき事は全て終わり、ルーラの術で帰還する事にしたでござる。

2006年 6月25日

 竜王の城へ行くための最終調整に入るでござる。銀の竪琴・太陽の石・ロトの印を預かり所
から引き出し、一路北東へ。銀の竪琴を雨雲の杖と交換し、続いて遥かリムルダール南方の
聖なる祠にて雨雲の杖と太陽の石を用いて虹の雫を入手。これで準備は整いもうした。今度
は竜王の城へ行くためリムルダールの西を目指すでござる。
 岬の先端で虹の雫を用いて橋を架ける。それを渡れば……見えてきたでござるよ、禍々し
い魔城が。冒険の初期から遠目に眺めてきた最終決戦の地へ、ようやく辿り着いたでござる
な。
 城に入り、玉座の後ろにある隠し階段から地下へ。階層を一つ降りる度に変わる音楽、次第
に強力になって行く敵……薄暗い迷宮のただ中で、拙者は遂に御先祖の残した宝剣を
発見! 攻撃力は40でも、バギクロスを巻き起こせなくとも、それでも現アレフガルドにお
いて最強最後の武器である事に違いはござらん。剣の力もあって、一気に迷宮の最深部
に突入。しかし真っ直ぐ竜王の部屋には行かず、先に宝物庫へ向かうでござるよ。竜王を素寒
貧にしてやってから、拙者は迷う事無くリレミトで脱出。間髪いれずルーラでラダトームへ
と帰還して候。
 いっぱいになった所持品を、ある物は売り飛ばしある物は預かり所へと放り込む。光あれ爺
に回復してもらい、拙者が向かうはドムドーラ南方。
 どうして今さら山篭りなのか? まぁ竜王の前まで行った時、MPが尽きそうで勝ち目が
薄かったのが一つ。そしてもう一つはSFCドラクエTのバランスにあるのでござる。
 というのも、SFCドラクエTにおける経験値最高の魔物・メタルスライムの守備力は(攻
略本によれば)254。拙者の攻撃力が130になる辺りから、メタルスライムに
普通にダメージが通るようになるのでござる。そしてこれだけの攻撃力があればここらに
出る他の敵はほぼ一撃必殺。この攻撃力がロトの剣さえあればそろそろ到達できる
なれば、最早ここで最後の修行を行わない理由はござらん。
 しばし修行を続けるうち、メタルスライム相手にレベル20で2点以上のダメージが通
り、レベル22でほぼ一撃必殺になり、レベル25で二桁のダメージが出るようになり
申した。たまげた事に、レベル29と30は一気に2レベルアップして到
達したでござる! これはレベル29になる経験値が65000、レベル30が65535である
ため、64760〜64999の経験値でメタルスライムを倒せば起こる現象なのでござる。とはい
え、拙者もこんな事を見たのは初めてでござるが。U以降なら意図的に起こすことも可能でご
ざるが、Tでとは計画外でござった。
 これにてアレフガルド最強の勇者兼忍者となった拙者はラダトームに帰還し最後のセーブを
行うでござる。

2006年 6月26日

 いよいよ最終決戦でござる。ロトの剣とロトの鎧、水鏡の盾に竜の鱗。そして懐にはローラ
の愛。最後のアイテムはぶっちゃけ不要でござるが、まぁ気分を盛り上げるためにこのぐらい
の演出はあっても良いでござろう。
 レベルを最高まで上げた拙者の前に敵はなく、道中の魔物は皆完膚なきまでに捻じ伏せて
進む。再びやってきた竜王の城最深部にて、ついに元凶たる竜王と合間見えたでござ
る。拙者に向かって竜王は相談を持ちかけてきて候。
竜王「ワシと手を組めば世界の半分をやるけど?」
拙者「その半分にお前の首が含まれているなら考えるでござるよ」
 冷静な話し合いの結果、交渉が決裂し戦闘へ。ラリホー・ベギラマ・ベホイミを使いこなすた
め少々手こずるも、所詮拙者の敵ではござらん。叩き斬って第一ラウンドを終了させてやるで
ござる。
 なお、やりとりしたダメーシから察するに、おそらく竜王の攻撃力は110前後、守備力
は90前後。HPは自動回復がいくらかわからぬので正確には見抜けないでござるが、与え
た総ダメージは250を超えているでござる。
 斬り伏せたはずの竜王がその正体を現し、第二ラウンドの開始でござるよ……。
 戦闘の音楽も一変し、巨大なドラゴンと化した竜王との死闘が始まったでござる。戦闘中の
数値から、正体を現した竜王の攻撃力はおそらく140前後、守備力は160前後
でござろう。メタルスライムを一撃で握り潰せるパワーと最高レベル最強装備の拙者より堅牢
な装甲を持っていると見た。さらに守備力無視で50近いダメージを与える激しい炎を吐き出す
でござる。
 無敵の竜と最強の虎の激突。ベホイミでの回復を二回ほど要したものの、最後は拙者
の剣を受けた竜王が倒れもうした。与えた総ダメージは350以上。その亡骸から、拙者
はようやく光の玉を取り戻したでござる。
 タイガー忍者に敵は無し。最強最後の竜虎対決を制し、拙者は真っ直ぐラダトームへと
帰りもうした。町を歩けば人々が讃えてくれる事はわかっているでござるが、忍者に無駄な
賞賛は不要。ただ任務を果たし姿を消すのみでござる。
 王に任務達成の報告を終えた時、姿を現し拙者についてくるというローラ姫。どうやら拙者の
次の任務はドラクエUに話を続けるべく子孫をこさえる事でござるな。
 こうして拙者はラダトームを出、長い旅に出るのでござった……。
劇終。
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