ストーリーとコンセプト

(※以下にある牛の尿のごとき長い背景ストーリーを知らなくても、シナリオ本編には全く影響
ありません)

 山に囲まれた平野の小さな国、ユールイー。ここは住んでいる人の十人に九人がホビット
の、小人達の国です。ホビットの王女さまが治めるこの国で、みんなは幸せに――食べたり飲
んだり歌ったり走ったり騒いだりして――暮らしていました。
 けれどある日、この国で大変な物が見つかりました。城のえらい学者さんが、伝説の「しあわ
せの実」の種が残された場所を発見したのです。

 しあわせの実は二百年ぐらい前に見つかった宝物で、それさえあればお金にも食べる物にも
困る事なく、誰もが一生楽しく暮らせるというとても素敵な木の実でした。
 けれどあまりに素晴らしい宝物だったから大変です。近くの山に住んでいる小鬼に大鬼に獣
人、外国の人間たちも「しあわせの実」を欲しがりました。実を取りに来た人たちには悪い人も
いっぱいいました。
 たちまち戦争になって、ユールイーは大騒ぎになりました。人間のお金持ち貴族さまの領地
よりもずっと小さな国なのに、その全土で剣が打ち合わされ、血が流され、火の手があがりまし
た。結局、全ての実が燃やされてしまったのです。
 そして「しあわせの実」がなる木は、とある魔法使いが独り占めして、地下深くに隠されて行
方がわからなくなってしまいました。
 ホビットたちはとても悲しみましたが、やがて諦めて、無いなら無いなりに楽しく暮らす事に決
めました。それから今まで、しあわせの実はおとぎ話の中だけの物になりました。

 そして今。学者さんは見つけたのです。その木が隠された筈の洞窟の場所を。古い古い本の
中に、それが記されていたのです。
 もちろん、お城の兵士さん達は実を取りに行きました。けれど困った事に、その洞窟は実を
独り占めしようとした魔法使いの幽霊が住んでいて、近づく人に魔物をけしかけてしまうのでし
た。そのうえいつのまにやら実の事を聞いて、近所の国からもいろいろな人が洞窟に入り込ん
でいるようです。
 ユールイーの王女・プルプルさまは、それをとってきてくれるように国中にお願いを出しまし
た。洞窟はとっても危険だけど、ホビットの中には、勇敢で、頑張り屋さんで、なによりとても元
気な者だっている筈です。さて、誰がしあわせの実をとって来れるのかな?


 有害指定・種族差別ゲー。
 まさしく一発ネタで作り上げたシナリオです。実は最初からホビットを優遇しようと思っていた
わけではありません。「THE LAST BATTLE OF ニンジャ」で忍者を中心にしたシナリオを
考えたので、次は種族ごとの特徴を出そうかと思いました。この時は種族限定装備がやたら多
いシナリオにしようかと思っていたのです。
 ドワーフは魔術師でも低AC、エルフは魔法能力を補助するアイテムがやたら多く、ホビットは
……ホビットは? 鍵開けできるのは盗賊と忍者だけなわけで、それを補助っていっても
のシナリオとやる事が全然変わらないだろ? 何コイツ? どうすんの?
 そう考えた後、ホビットでも打撃で戦えるようにしようと思いました。でもドワーフがいれば無
意味である事に気づきました。じゃあドワーフ戦士と同じぐらいホビット戦士が強くなるようにし
ようかと思いました。そうすると、種族が5つある意味が無くなる事に気づきました。
 ここで、従来とは別の特徴づけをしようと考え付き、このシナリオの方向性が定まりました。

 このシナリオにおける各種族の特徴は次の通りです。

ホビット:選民。最強。
ドワーフ:タフなザコ。
エルフ:魔法使うザコ。
ノーム:無個性なザコ。
人間:ただのザコ。

 このシナリオが面白いかどうかはわかりません。しかし現時点において、エディターシナリ
オの中ではかなりの個性派である事には少々自信があります。商品版では未来
永劫到達不可能の境地に立った自負ならば完璧なほどにあります。その境地が求められ
ている物なのかどうかについては不問とさせていただきます。

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